信濃の疏水
上小地域
巨石を積み上げたロックフィルダム 横堰池(よこせぎいけ)
横堰池は東御市の北部、背後に湯の丸山、烏帽子岳が控える標高1000mの緩やかな南斜面に位置しています。
この地域は、年間降水量が800㎜と少なく、農業用水は所沢川をはじめとする河川に依存していましたが、干ばつによる水不足に悩まされ、安定した水源の確保は永年の悲願でした。
横堰池は、県営かんがい排水事業により昭和59年から6年の歳月をかけて、農業用水の安定供給を目的に築造された農業用ため池(貯水量19.3万t、堤高14.8m、堤長694m)で、約280haの農地を潤しています。
烏帽子岳の南山麓に広がる火山性扇状地は、直径1mを超える巨石を含む極めて透水性の高い砂礫層からなっており、堤体の主材となる粘性土が周辺で採取できないことから、堤体内側をゴムシートで覆う表面遮水型ロックフィルダム形式が採用されました。
堤体法面には巨石が積み上げられており、その外観はピラミッドを連想させますが、この巨石は全て、横堰池の築造時に地中より出現したものです。
近年、排水ゲートやゴムシートなどの老朽化が進み、維持管理に多大な費用と労力が必要となっていました。このため、平成23年から県営かんがい排水事業による施設の長寿命化を目的とした補修工事が進められています。
地域の特産品である巨峰ぶどうは、広く県内外に出荷され、大変好評です。
2012年12月掲載
施設の管理者東御市所沢川水系土地改良区
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