疏水の登録・百選

国際かんがい排水委員会（ICID）は、かんがいの歴史・発展を明らかにし、理解醸成を図るとともに、かんがい施設の適切な保全に資することを目的として、建設から100年以上経過し、かんがい農業の発展に貢献したもの、卓越した技術により建設されたものなど、歴史的・技術的・社会的価値のあるかんがい施設を登録・表彰するために、世界かんがい施設遺産制度を創設しました。平成28年11月8日には、タイ王国チェンマイで開催された第67回国際執行理事会において、茅野市の「滝之湯堰・大河原堰」と安曇野市の「拾ヶ堰」が県下で初めて登録されました。

農林水産省では、平成18年2月に「疏水百選」、平成22年3月に「ため池百選」を選定しており、県下でも、それぞれ５箇所が選ばれていますが、必ずしも広く知られていないのが現実です。

これまで、疏水の価値が表舞台で評価されることは少なかったかもしれません。世界かんがい施設遺産の登録をきっかけに、改めて疏水が有している歴史、景観、伝統、文化などの魅力を積極的に発信し観光資源としても活用することで、地域の知名度や農産物のブランド力が向上し、地域の農業振興や活性化につながることが期待されます。

出典：農の営みをささえる 信濃の疏水