信濃の疏水
佐久地域
白樺に囲まれた高原のため池 八千穂レイク(やちほれいく)
八千穂レイクは、北八ヶ岳東麓の標高1500m、日本一の白樺群生地と称される八千穂高原内に位置している農業用の温水ため池です。
このため池は、昭和初期より農業用水の確保に苦しんできた南佐久郡佐久穂町(旧八千穂村)の千代里、勝見沢地域の約85haの農地に用水を供給するための主要水源として、昭和48年に県営温水溜池事業八千穂地区により築造されました。その後、水利系統の統合により、現在では八千穂地域のおよそ270haの農地を潤す基幹的な農業水利施設となっています。
また、昭和62年度から実施した県営かんがい排水事業八千穂地区により、八千穂レイクから続く農業用水路がパイプライン化され、維持管理労力が格段に軽減されました。同時に畑地かんがいが可能となり、レタスやハクサイ、リンゴ、カーネーションやアルストロメリアなどの主要作物の産地化に大きく貢献しています。
現在では、八千穂レイクの流入水路が岩魚の産卵床などの自然観察ゾーンとして、また夏は管理釣り場、水辺体験、魚のつかみ取り、冬は自動車の氷上走行テストが行われるなど、ため池の新たな活用への取り組みが進められています。その一方、春と秋には地元ボランティア団体や湖面利用者が率先してゴミ拾いを行うなど、ため池利用と維持管理の新たな形も生まれて来ています。
2013年9月掲載
◦ 施設の管理者
佐久穂町
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