信濃の疏水
疏水に関わる水利構造物
2000年にわたって営々と築かれてきた疏水。全国の総延長は実に40万㎞にも及び地球10周分にも相当する疏水が日本全土に張り巡らされています。県内には、約2万㎞あり、古くは平安時代頃から荘園制のもとに水田開発に伴って疏水の開発が行われてきたといわれています。
疏水は、地域によって○○堰・汐、◇◇井筋、△△用水など様々な名称で呼ばれていますが、農業に利用する目的で人工的に造られた通水機能を有する一連の水利システムです。
具体的には、河川から取水するための堰や頭首工、水を流すための水路、分水するための分水工や門扉、貯水するためのため池などにより構成されます。近年では、揚水機場、パイプライン(管水路)、ファームポンド(調整池)、スプリンクラー(散水施設)などにより、水を導くことができなかった標高の高いところの畑地へもかんがいできるようになりました。
(参考)頭首工という用語は、明治時代以降から用いられており、英語ではhead worksといいます。用水路の頭の部分に設けられる施設だからという説と、直訳して河川に堰を造って水頭(head:位置エネルギー)を確保し取水する仕掛け(works)という説などがあります
出典:農の営みをささえる 信濃の疏水