信濃の疏水
佐久地域
日本一の高原野菜を潤す 海ノ口用水・広瀬用水(うみのくちようすい・ひろせようすい)
南牧村は、八ヶ岳の東麓に位置し、標高1200〜1300m地帯には広大な高原が広がり、年間平均気温7°C前後の冷涼な気候を活かして、レタスやキャベツなどの高原野菜を生産しています。
海ノ口用水と広瀬用水は、南牧村の野辺山高原を西から東へ流れる杣添川から取水しています。
明治時代、この地域の主な産業は養蚕と林業でしたが、昭和10年の野辺山高原野菜組合の設立を契機に、野菜栽培の第一歩を踏み出し、当時全線開通した小海線により関西市場へ白菜が出荷されました。当時の農業は、トラクター等の大型機械がなく、主に馬や牛の力を借りた人力で行っていたため、相当な苦労がありました。
昭和30年代に入ると、農作業の機械化が進み、野辺山の高冷地に適したレタスやキャベツの生産が拡大し、日本一の高原野菜産地へと発展しました。
海ノ口用水と広瀬用水は、南牧村の高原野菜の生産を支える重要な用水となっています。
2018年9月掲載
• 施設の管理者広瀬水利組合・南牧村
• 出典「長野県土地改良史」
「南牧村の概要信州みなみまき村HP」
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