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信濃の疏水

上小地域

神川の清流を守り次世代へ 菅平ダム(すがだいらだむ)

菅平ダムは、上水道・発電のための利水専用ダムとして建設された施設で、高原野菜の産地、スキー・ラグビーの地として知られる菅平高原に位置しています。

ダム建設の歴史は、昭和25年の期成同盟会の結成に始まり、その後、硫黄掘削計画が持ち上がったことによる中断・再開を経て、昭和37年に県営事業として採択され、昭和41年に着工、昭和43年10月に完成しました。

ダム完成までには、農家の事業費負担や建設後の管理等の課題がありましたが、多目的ダムとすることや、財産組合の土地を県が保健休養地として開発・販売し、その余剰金を事業費に充てるという「菅平方式」と呼ばれる手法により解消されました。

潅漑用水は、一級河川神川から15箇所の堰により取水され約1300haの農地を潤しています。かつて毎年のように干害に見舞われていた流域農地の生産性は、ダムの完成により飛躍的に向上しました。また上水道・発電、河川の流況が安定するなど農業以外にも多くの恩恵をもたらしました。

これらの恩恵は、「神川の清流を守れ!」と流域住民が一丸となって硫黄掘削計画を阻止したことや、リゾート開発手法の先駆けとなった「菅平方式」の発案など、先人達がその力と知恵を結集させて成し遂げたダム事業の成果であり、こうした歴史はいつまでも忘れられることなく語り継がれて欲しいものです。

ダム建設から45年が経過し、補修や補強、土砂の搬出などが必要となっていますが、ダムは今後も地域発展の礎として不可欠な施設であり、次世代に良好な状態で引き継ぐことが私たちの使命となっています。
2014年2月掲載

◦ 施設の管理者 長野県企業局北信発電管理事務所

◦ 関係土地改良区 長野県神川沿岸土地改良区