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信濃の疏水

上小地域

信州の原風景の宝庫を未来へ託す 稲倉の棚田(いなぐらのたなだ)

稲倉の棚田は、上田市東部の上信越自動車道東側の稲倉(行沢)川に沿った標高差約260mにわたり、谷あいに連なる棚田です。見下ろす景色は、箱庭のような上田市街、見上げれば八ヶ岳、美ヶ原、北アルプスの山々が織りなすパノラマが広がっています。

この棚田は江戸時代に開田されたと言われており、谷あいの湧水と殿城山の雨水を導き、土手に石積を使うなど急峻な地形を巧みに活かし、約780枚、30ha余りの大小様々な形の水田が形成されています。この美しい景観等が認められ、平成11年7月に「日本の棚田百選」に認定されました。

近年、棚田の荒廃化が進んでいましたが、棚田百選の認定を契機に住民組織が多くの棚田の復田を進め、現在の美しい稲倉の棚田が維持されるようになりました。保全活動は「稲倉の棚田保全委員会」が行っており、棚田オーナー制度や高校生による農作業体験、案山子まつり、ほたる火まつり、冬のイルミネーションなど、四季を通して棚田を訪れていただき、棚田の素晴らしさを感じてもらえるようなイベントを行っています。

現在では、上田市の地域おこし協力隊も活動し、来訪客や棚田オーナーも70組と増加してきています。きれいで冷たい水と昼夜の寒暖差により、消費者の評価が高いおいしいお米が生産されています。また、過去につくられていた酒米の栽培も再開し、市内の女性杜氏によりおいしい日本酒が造られています。

信州上田「稲倉の棚田」で、「気持ちいい!」絶景を見ながら、「楽しい!」「美味しい!」コメ作りを体験してみてはいかがでしょうか。
2017年10月掲載

• 施設の管理者 稲倉の棚田保全委員会