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信濃の疏水

諏訪地域

地域の想いを映すコバルトブルー 笹原ため池(ささはらためいけ)

笹原ため池は、八ヶ岳西麓、茅野市東部の笹原集落東端に位置し、ため池百選に選定された御射鹿池の下流に造られた農業用ため池で、40haの水田を潤しています。

標高1100mを越すこの地域では、八ヶ岳から流れる酸性かつ冷たい水を農業用水として利用せざるを得ないため、過去には、たびたび冷害に見舞われるなど、収量が安定しま

せんでした。

しかし、昭和8年に完成した御射鹿池により、湧水と混ぜて酸性水を希釈するとともに、水を一旦溜めて温めることで、米の収量が飛躍的に増えました。更に、昭和20年後半の大凶作をきっかけに、その下流に笹原ため池が築造されたことで、酸性水の希釈と水を温める効果が向上し、収量が高まりました。

池底に酸性を好むチャツボミゴケが自生することで、湖面をコバルトブルーに彩っており、この美しい景観は「茅野市ふるさと景観百選」にも認定され、多くの人たちを惹きつけ

ています。

近年、堤体からの漏水が見られるなど施設の老朽化が進んだため、平成29年度に堤体の改修工事が行われました。

新しい姿に生まれ変わった笹原ため池ですが、昔も今も変わらぬコバルトブルーの水面からは、築造に携わった人たちの想いが偲ばれます。地域に愛されるこのため池は、茅野市

湖東笹原土地改良区により次代に着実に引き継がれ、季節毎に美しい景色を映し出してくれることでしょう。
2018年2月掲載

  • 施設の管理者 茅野市湖東笹原土地改良区
  • 茅野市ふるさと景観百選