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信濃の疏水

上伊那地域

農業のため、地域のために、大切な水を運ぶ 伊那西部地区(いなせいぶちく)

天竜川の河岸段丘により形成された伊那谷。伊那西部地区は、伊那谷の西側上段部の辰野町から箕輪町、南箕輪村、伊那市まで広がる畑作地帯です。
もともと伊那西部地区には農業に使える水源が乏しく、桑畑や林地が大半を占めていました。良質の農産物を作りたいとの長年の願いにより、昭和47年から国営かんがい排水事業伊那西部地区などの大規模な土地改良事業に着手し、生産基盤の整備が進められ、ブロッコリー、アスパラガス、ネギなどの野菜産地へと変貌を遂げました。
伊那西部地区を潅漑する水は、段丘の下段部に広がる西天竜地区の水田へ潅漑した後水や、湧水を集水路により集めて水量を確保し、第一揚水機場(標高652m)から、伊那市西箕輪地籍のみはらしファームに隣接する吐水槽(標高915m)までの標高差263m、延長約6㎞を揚水ポンプで圧送して、農地に配水しています。
近年は、ポンプ施設や送水管など施設が老朽化して故障による修繕費の負担が大きな課題となっており、国営・県営事業により大規模な補修工事が実施されています。
毎年、地元小学生を対象に施設の見学会「農業用水探検隊」を開催して、農業用施設の役割や維持管理する土地改良区の苦労など、農業用水の恩恵と大切さを伝えています。
2016年11月掲載

◦施設の管理者 伊那西部土地改良区連合