信濃の疏水
長野地域
村を潤す三堰 三水(さみず)
飯綱町、平成17年10月に牟礼村と三水村とが合併し、現在の町名となりました。
北信五岳の一つ飯縄山(飯綱山)の麓に広がる雄大な自然に彩られ、古き街道の面影とふるさとの原風景を残した爽やかな高原の町です。
旧三水村、三水とは3本の堰(水路)が村を潤していることから名付けられたと言われています。善光寺用水、倉井用水、芋川用水は、何れもおよそ400年前に開削され、村の礎となった水路です。近年、県営事業により改修が進み、維持管理が容易になりました。また、一部区間はホタルなどの水生生物の生息に配慮しながら改修しており、初夏の憩いの場として利用されています。
「瑞穂の国」と言われてきた日本。稲作により多くの村々が成り立ってきました。代掻き、田植え、出穂、開花、それぞれの稲の生育ステージには十分な農業用水が必要です。そのために先人が血と汗をにじませて、用水路を掘り、長年にわたり維持保全を行ってきました。
そして、農業用水としての機能はもとより、防火用水などの生活用水としての役割も担ってきた三水の三堰は、今後もこれらの機能を十分発揮し、地域の人々の暮らしに安らぎを与えてくれる、豊かで美しい空間を醸成しつづけてくれることでしょう。
2009年8月掲載
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