信濃の疏水
長野地域
樹園地を支える 日滝原頭首工(ひたきはらとうしゅこう)
須坂市小島地籍、上信越自動車道の高架橋が一級河川八木沢川と交差する付近に、ゴム製のゲートを膨らませることで川を堰上げ、取水をしている施設(ラバーダム)があります。
この施設は『日滝原頭首工』といって、高山村から須坂市に広がる松川左岸扇状地の通称「日滝原」と呼ばれる樹園地帯に、かんがい用水を送水するための施設です。
河川から取水した水は、3カ所の揚水機場を介して715haの農地にスプリンクラーにより散水されています。
これらの施設は、昭和41年から始まった県営かんがい排水事業などにより整備され、昭和47年の竣工により、遠隔操作の完全自動潅水方式による「畑かん」施設として運転が開始されました。
これにより、長い間干ばつに苦しんできた「日滝原」では、果樹の品質向上と増収が実現し、リンゴと巨峰ブドウを中心とした県内でも有数の果樹生産団地へと変貌を遂げることができました。
また最近では、売れる産地づくりを目指し、長野県オリジナル品種の「りんご3兄弟」や、「ナガノパープル」も栽培されています。 夏場の散水の季節になると頭首工から取水した水を「日滝原」に散水するスプリンクラーが、散水音を響かせています。
2010年5月掲載
◦施設の所有・管理者 長野県日滝原土地改良区
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