信濃の疏水
長野地域
名月を映す棚田の水源 大池(おおいけ)
「田毎の月」で知られ、国の名勝、日本の棚田百選にも選定された「姨捨の棚田」。この棚田を含む水田約82haの用水源となっているのが大池です。
大池は、千曲市の西部、聖山高原県立自然公園内の千曲高原にある上池・中池・下池の三つのため池の総称で、標高約800mの周辺一帯は、天然林や渓流など豊かな自然に恵まれ、日本海と太平洋の植物分布の境にあたることから、高原植物の宝庫といわれています。
大池の歴史は、江戸時代の明暦年間(1655~1658)まで遡りますが、大池の築造により「姨捨の棚田」の本格的な開発が進められたともいわれており、古くから地域の農業生産活動を支える用水源として、重要な役割を果たしてきました。
平成5年から10年にかけて行われた県営水環境整備事業では、管理道路や用水路の整備など、ため池本来の機能回復だけでなく、景観や生態系に配慮した親水施設などの整備を一体的に行いました。
近年、豊かな自然を生かした研修施設やキャンプ場などが整備され、余暇活動に広く利用されています。
大池を中心とした豊かで潤いのある水辺空間では、四季折々さまざまな自然の姿を楽しむことができます。
2013年3月掲載
◦施設の管理者 千曲市西部土地改良区
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