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信濃の疏水

長野地域

豊かな自然と水資源 軍足池(ぐんだりいけ)

長野市芋井にある軍足池は、飯綱山麓からの湧水を水源として、芋井地域の水田23ヘクタールを潅漑しています。
軍足の地名の由来には諸説ありますが、集落の直下に隠滝不動尊があり軍茶利明王が祭られていたという説があることや、インドに「水を溜める」との意味を持つ言葉で「クンダ」があり一帯が池沼であったことに関わりがあるとも言われています。 江戸時代、山間地である芋井の里でも急速に水田開発が進むにつれ潅漑用水の需要が高まり、軍足の湿地帯も用水源として開発の手が入りました。当時の工事は土砂を積み上げ水をせき止めるものでしたが、葦の繁茂などによる荒廃が進み次第に十分な用水が確保できなくなっていきました。
昭和13年には、国策によるコメの増産の必要性もあり、本格的な築堤工事が行われ、現在のため池の姿となり用水は安定的に供給されるようになりました。
しかし、平成になり池の堤体からの漏水が増えたこと、護岸の洗掘が進み災害の発生が懸念されるようになったため、県営事業によりため池の補強工事を行いました。
広瀬集落に近く池周辺が風光明媚でもあることから、遊歩道や親水施設も併せて整備したことにより、軍足池周辺は、市民の憩いの場としても親しまれています。
軍足池を中心とした豊かで潤いのある水辺空間では、四季折々の自然の姿を楽しむことができます。
2016年8月掲載

◦施設の管理者 広瀬ふれあい公園管理委員会