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信濃の疏水

木曽地域

恵みの水 西山畑地灌漑施設(にしやまはたちかんがいしせつ)

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木祖村は長野県の西南、木曽郡の北部に位置する標高2千メートル級の山々に囲まれた渓谷型の山村で、木曽川の水が生まれる「源流の里」として、平成の名水百選に選ばれるなどその豊かな自然を求め多くの観光客が訪れています。
自然に抱かれた村の農業は、水稲を主力としていましたが、高冷地のため冷害を受け易いことから様々な作物が試され、昭和32年頃から夏の涼しい気候に適した「はくさい」が栽培されるようになりました。村の北西部にある「西山」と呼ばれる高台を中心に一大産地が形成されており、現在では年間4千トン、26万ケースが東京、大阪、名古屋の市場へ出荷され、「御嶽はくさい」として高い評価を受けています。
「はくさい」の作柄は、天候に左右され易く、特に夏の高温と干ばつは、害虫の発生や品質低下の原因となります。潅水施設のなかった「西山」では、ため池を築造するなど、農家の努力と情熱により作付けを行ってきましたが、干ばつの時には甚大な被害を受けることもありました。そこで被害を防止し、高品質な「はくさい」をより安定的に供給するため、平成13年度から県営事業により、農地の区画整理や潅漑施設の整備が行われ、平成20年6月に竣工を迎えました。
先人たちの歩んだ足跡を偲び偉大な不屈の精神を継承しつつ、今年も恵みの水から生まれる「御嶽はくさい」の収穫が始まっています。
2008年8月掲載

◦参考文献 源流の村「木祖村誌」

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